人類最強の武器を見つけました

横断歩道で信号待ちをしていたら、 少し前に立つ女性が、キャッと小さく叫んだ。 見ると、彼女の足元に、 名刺や紙幣やなにかのカードが数枚散らばっていた。 スマホケースを落としたようだ。 拾うのを手伝おうかと思ったけれど、 彼女ひとりでじゅうぶん手…

しょせん問題は、今日の雨 傘がない、だったりする

爆撃を受けたウクライナや東北の地震のニュースを見て、 眉をしかめ、う〜ん、とうなったあと、 チャンネルを変えて、「踊る!さんま御殿!!」に大笑いをする。 どうも最近、自分との距離が遠いところでどんな災害や争いや理不尽が起きても、 次の瞬間には…

「こんな駅になんの用があるんだろう」と思ったら小原糸子を思い出せ!

真っ平らな田んぼや畑がずっと続き、 民家もぽつりぽつり遠くに見えるだけの、 そんな郊外を走る普通電車に乗っていて、 なんて読むかわからない小さな駅にとまって、 目的地まであと駅はいくつだ?とため息つきながら、 窓越しに下車する人を見ていると、 …

針は落としても爆弾落とすな!

2022年2月24日。本日おそらく世界の人々が聴いているであろうのは、ムソルグスキー「展覧会の絵」のなかの一曲、「キエフの大門」 ムソルグスキー盤を持っていないので、エマーソン・レイク&パーマーの方の、レコードから。 針は落としても爆弾落とすな! y…

なんでって聞かないで、が響いたETV特集「ある子ども」

ネットで知り合った男からやさしい言葉をかけられたり、相談にのってもらったりして、「ぼくのこと信用しているなら裸の写真送って」と言われ、応じてしまった少女。 消してあげるから会おう、との誘いに、そんな彼女が心配な男友達は、 ついていっちゃダメ…

「ドライブ・マイ・カー」をまだ見ていない

賞レースの道を突っ走る「ドライブ・マイ・カー」 しかしまだ見ていない。映画館には見に行けない。見に行くのにためらいがある。 2時間59分という時間との戦いに、尿意が勝てるとは到底思わないからです。 配信を待とう。いや、それではいつになるかわから…

「それでも」があれば前に進める

2022年になりました。 spotifyのプレイリストからは、 歌詞表示をONにしたYOASOBIが、 くり返し流れ続けています。 紅白歌合戦で、 YOASOBIは「群青」を歌いました。 ♪〜ありのままのかけがえのない僕だ〜♪、の「僕」を 「みんなだぁーー!」に変えて歌いま…

「愛の不時着」にはじまり「岸辺露伴」に終わる2021年映画・テレビ好き好きまとめ

どうやら2021年は「愛の不時着」にはじまり「岸辺露伴」で終わる一年になりそうです。 本年度167本中の順不同お気に入りランキングでございます(新作というわけでなく、旧作・再見も含まれています) 【圧倒的に韓国が多かった】 <韓国・やはり役者は肉体…

怪物はすぐそこにいる〜「地獄が呼んでいる」

面白いとか面白くないとか、 グロいとかグロくないとか、 そんなの通り越して<スゴイ>としか言いようがない、私的には歴史的な怪作だと感じています。 「地獄が呼んでいる」 www.netflix.com 第1話を見た段階では、いったいあの怪物の正体をどう納得させる…

「監督」はなぜ「さん」を付けてもらえないんだろう、かな

「おいバイト、焼酎くれ」 居酒屋で客にそう呼び捨てされた店員はブチッと切れ、そのあと大喧嘩に。 韓国ドラマ「梨泰院クラス」のなかの、主人公がオープンさせた居酒屋でのワンシーンです。 こんな無礼な者でない限り、職業や役割で人を呼ぶ場合、多くは「…

いつしか「イカゲーム」に参加させられている僕たち

朝起きて今日の予定を思い浮かべて思う。 「よし、夜になったらイカゲームが見られる」 そんな感じで過ぎ去っていったあっという間の9日間。 すべて見終わり、晴れてゲームオーバーのはずが‥そうとはならず謎は残るばかり。 www.youtube.com 黒幕らしき■■が…

オレ雨男ワタシ雨女、を信じているなら選挙に行こう

オープンロケの日が近づいてくると、スタッフ間でこんな論争が繰り広げられます。 「まずいなぁ◯◯さん、雨男なんだよな」 「だいじょうぶアタシ、雨女だから」 とかなんとか、全く根拠のない無理やりな具体的な例をあげた軽口が、制作の現場では飛び交います…

「夜になったら賢い医師生活のみんなに逢える」と、毎日を豊かにしてくれた「賢い医師生活」というまったく新しいドラマについて

" data-en-clipboard="true">韓国ドラマ「愛の不時着」にハマった小説家の井上荒野さんは、 " data-en-clipboard="true">日中、「夜になったら愛の不時着が観られる、夜 になったら愛の不時着、夜になったら不時着......」と、目の前に人参をぶら下げられた…

時間と距離を軽々と飛び越えたリンダ・リンダズの時代を変えるシャウトをお聴きくださいの巻

NETFLIXで配信されている映画に「モキシー 私たちのムーブメント」というのがあります。 性差別や女性蔑視が根深い高校で、それらをなんとかしようと女子生徒たちが団結して立ち上がり、小さな革命を起こしていく映画です。シンプルなそのつくりが好きで、何…

今日マチ子「Distance わたしの#stayhome日記」

きょうまちこ と聞いてどんな漢字を思い浮かべるか。 ここはあえて、「京」ではなく、「今日」の方で。 漫画家でありイラストレーターである 今日マチ子さんの「Distance わたしの#stayhome日記」 Distance わたしの#stayhome日記 作者:今日マチ子 rn press …

「アイドルやってます」の時代

" data-en-clipboard="true">今はそういうことなんだろうな、とはわかってはいます。頭では理解しています。 " data-en-clipboard="true"> テレビのバラエティ番組に出てくる若い女性の皆さんは、 堂々とためらうことなく自分のことをそう称しています。 い…

そのネーミングが世界を混乱させる

バリカンのアタッチメント3mmのこの髪型でもシャンプーは必要です。リンスのいらない花王のメリットを愛用しています。 この前、頭を洗おうとシャンプーボトルのノズルを手のひらで押したらいつものような手応えがなく、ぶぶぶぶぶっと空気が漏れる音が風呂…

それが誰かの希望になるのならば、自分にとっては使命になる。と、大野智は言った。

「え、大野智さん、えっ、え」 受付の女性が顔を上げそう声を漏らした。 1999年のデビュー以来だから振り返れば20有余年、 名前の書かれた書類を提出する場で、何度同じようなやり取りを繰り返してきたことか。 ときに「すみませんねぇこんな大野智で」と低…

タイトルの頭に「ゴダールの」って付いてるのはなんで?

2021年9月6日、ジャン=ポール・ベルモンドが亡くなりました。 といっても享年88歳だから現役時代を殆ど知らず、ずっと後になって見た「勝手にしやがれ」と「気狂いピエロ」ぐらいでしか、その動いている姿を知りません。 追悼の意でちょっと見返してみるか…

今さらながら赤毛のアンにハマってる

原作は一行も読んだことなく、アニメ化された作品も見たことがなく、そもそもがまったくの興味の対象外だったけれど、たまたまNHKでまとめて再放送していたのをなにげに見てみたら、なんとまあ、どういうことでしょう、めちゃくちゃおもしろいではないですか…

「paypayで」と手首をひねる日々

あれ?最後に現金を使って支払いしたのっていつだっけ?と、記憶をたどってしまうほど、最近の買い物はほとんどがキャッシュレスです。 いちおう自分なりの基準があって、二千円以上になるとクレジットカード、それ以下は、paypayメインの、ときどきmanacaの…

「茄子の輝き」を愛でる時、傍らにはネコがいて欲しい

" data-en-clipboard="true">映画「花束みたいな恋をした」のなかに、(有村架純演じる)絹が本を読み終えたあと、感動とともにふうと息をつく、というシーンが出てきます。 " data-en-clipboard="true"> 絹が読んでいた本は、これ、滝口悠生「茄子の輝き」…

音楽の消えたディストピア世界

" data-en-clipboard="true">レイ・ブラッドベリの「華氏451度」は、本がなくなった世界だけど、 " data-en-clipboard="true">音楽、 " data-en-clipboard="true">同じように、音楽がなくなった世界を描いた傑作がある。 " data-en-clipboard="true"> ミック…

<いつも無表情でたまに笑う> より <いつも笑っていてたまに無表情> のほうが疲れるから…

今日は何も見るものないなぁ、という凪のような一日。 なけりゃ見なくてもいいのに。 てなわけにいかないのが動画中毒者の情けないところでなんともお恥ずかしい。 で、ハードディスクの録画一覧から選んだのは数年前の一本。 「ドキュメント72時間〜宮崎・…

オリンピック開幕後に控えてるかもしれない最低のシナリオ(仮)

こうなったらイヤだな。 いや、でも、あり得るかもしれない。 もしかして、そうなっても仕方がないものと、 想定シナリオが事前に用意されているかもしれない。 ほんとうにそうならば、ぞっとする。 だから、あえて書いてしまう。 予定通りの7月23日、東京オ…

NHKノーナレ「寺と家族と”私”」は、✗✗だと思って見ていたら◯◯だった。

✗✗だと思っていたら◯◯だった。 こうした意外性てのは感動の点火スイッチとしては、かなり有効な気がします。 26日土曜の夜見た、NHKノーナレ「寺と家族と”私”」がそうでした。 www.nhk.jp はじめは、 800年続くお寺に嫁ぐお嫁さんの話かぁ。女性がお経覚えて…

東京オリパラ2020便はまもなく目的地東京に着陸いたします

" data-en-clipboard="true">「皆様、東京オリパラ2020便は、まもなく目的地TOKYOに着陸いたします。 " data-en-clipboard="true">2013年よりのご搭乗、大変お疲れ様でございました。 さきほど地上より、 『こうした状況のなかでの着陸は普通はない』 『着陸…

将来できるであろう「平成村」を想像してみたら…

" data-en-clipboard="true">西武園ゆうえんちに昭和の町並みが生まれたらしいです。 " data-en-clipboard="true"> www.seibu-leisure.co.jp で、この先令和からさらに時代が進み、どこかに平成を振り返る「平成村」なるものを 作ろうとなったときのことを想…

どこへ向かうんだろう「ブランクスペース」

空襲で京都全市が火に包まれないか、明日こそ金閣が焼けるだろうと夢見るが、待てども待てども京都は空襲に見舞われない。そのもどかしい想いを、三島はこう表している。 ともすると早春の空のただならぬ燦めきは、地上をおおうほどの巨木な斧の、すずしい刃…

『今ここにある危機とぼくの好感度について』と『ズームバックオチアイ』〜「しょうがない」に続け「それでも」

マジックワード「しょうがない」によって 何も解決しないまま なぜだか多くが納得させられてしまうことに対して、 落合陽一は、 「それでも」と言い続けていくしかないと言う。 www.nhk.jp Eテレ【ズームバック✕オチアイ「第6回 大衆論」】を 見たちょうど次…