「このハゲ!」と叫んだ女性政治家を笑う300年後の未来人たち

今日は朝っぱらからおっそろしく不快な声を何度も耳にしてしまいました。
有形無形の温かい支持が何よりも必要な、議員ともあろう人が、いわゆる「頭髪の乏しい」状態の人たちを一斉に敵に回してしまいましたね。
 
身から出た錆とはいえ、この時代、ICレコーダー、ドライブレコーダー、防犯カメラ、スマホと、公私問わず起きることの多数が記録されているかもと心しなくちゃ。議員さんなら特に。
 
 
記者会見は行われるのでしょうか、あ、もちろん暴言の主のほうですよ、誰ですか「このハゲ」と罵られた秘書を見たい、なんて言っているのは。そんなのダメですよホント。
 
 
と、怒られないうちに話を変えて、こんな短歌があります。
 
 
【かなしきはスター・トレック 三百年のちにもハゲは解決されず】
(松木秀)

 

5メートルほどの果てしなさ オンデマンド版

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宇宙空間を自由に旅し、地球上では人工知能どころか2017年に生きる私たちには想像もできないあらゆる進化を遂げているであろう300年後の新スター・トレックの世界では、まだハゲはハゲのまま何も解決されず、ある、らしい。

 

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未来にはいったい何が進化していて何が変わらないのか。
歌人でエッセイストの穂村弘さんは、進化のスピードにはムラがあると書いています。(「野良猫を尊敬した日」)

 

野良猫を尊敬した日

野良猫を尊敬した日

 

 

ハイスピード進化の筆頭は、携帯電話。
ちょっと前のドラマだけでも、でっかぁと、その進化のスピードに驚いてしまう。
 
対してなかなか進化しないモノは、傘。
過去の人も未来の人もそれを一目見れば誰だって傘だと分かる安定感が、傘にはあります。
 
 
そこで、新スタートレックのハゲ。やはりそこの進化は難しいのか。でも、と、穂村さんは思うのです。
 
なぜ役者にカツラをかぶさせない?
 
スター・トレックに限らず、映画の世界での技術は凄まじく、特殊メイクだってできちゃうのに、なぜハゲのままか。もしかしたら300年後のハゲはなにかしらのメッセージが隠されているのでは。制作陣の意図が秘められているのでは。
 
と、ここまでが穂村弘さん。
 
 
 
で、豊田議員の「このハゲ」暴言に触れて思ったのです。
今は「このハゲ!」と罵られてしまう特長も、300年後には最新トレンド、頭脳明晰の象徴、リーダーシップの必須条件となっているのかもしれず。
 
ファッションの流行がくるくる巡るように、美人の基準が時代とともに変化するように、何サイクルかの後の300年後、ハゲだってもしかして、もありうるのです。
スター・トレックはそれを描いているのだったとしたらスゴイことです。
 
300年前、日本という国の女性政治家が「このハゲ」などと叫んでいた!?そんなの信じられない!と呆れ返る未来人の顔を想像するのは楽しい。