これもあり、なんだ

フリーランスのお友だち〜本・映画・テレビ・ネット

Nスペ「ロストフの14秒」は上質な推理小説の謎解きに似て興奮

東京・渋谷に設置された250台の防犯カメラから軽トラ横転野郎をまずは特定し、その人物がどこにどう移動していったかを渋谷以外の防犯カメラから地道に探し出し、自宅最寄り駅を割り出し、4人の逮捕に至ったという。

 

渋谷の250台に比べるとロシア・ロストフのカメラは28台と少ない。しかも検証すべきはたったの14秒。

でもこの28台のカメラに監督や選手らの証言が加わると、あの14秒の検証は、上質な推理小説の謎解きにも似た興奮のクライマックスとなるのだ。

www6.nhk.or.jp

 推理小説の場合、犯行に至る動機があるように、あの14秒以前のひとつのプレーに結果へと導かせる布石があったという。選手らはそのプレーにイヤな予感を感じたという。


あのときロストフのピッチに立っていない部外者は、アディッショナルタイムコーナーキックを攻めた。
でも、あの本田圭佑のキックには、ああ、そうか、そういった心理的伏線があったのか!

 

犯行の証言に「カッとなってやってしまった」がある。その証言だけを聞くと短絡的な身勝手な犯行に思えるが、「カッとなる」以前にカッとなるに向けた、石っころのような小さな伏線がいくつも散らばっている。無数の小さな点と点を結んだ先に「カッとなる」があるように、あの14秒にもそのときには気付かなかった小さな点がロシアワールドカップ日本代表の戦いのなかには潜んでいたんだ。

 

この番組は身震いする番組です。
映像の分析と証言だけで成り立っています。なんという構成力。どうやって番組に組み立てていったのか。


ワールドカップが終わっていつもNHKは日本代表の試合を分析する番組を8月かおそくとも9月には放送します。今年はそれがなかったからやらないのかな、と思っていたが、なるほどこれだけの検証、密度、構成、取材を考えると12月になってしまったのがよく分かる。それだけスンバラシイ番組です。

 

「終わったことはくよくよするな!」とか言われますが、失敗に終わったことを検証することは必要です。しかも正しく、冷静に、均等に。
この番組が行ったことはこれからのサッカー日本代表を変えてしまうんじゃないかと思えるほど貴重で価値あることじゃないかと思えます。

再放送は12月12日にあるんだけど、でも、前篇50分後編50分の完全版が12月30日にもあるとか。これはこれは絶対に!見逃せない!

 

 

「一瞬で決断できる」シンプル思考

「一瞬で決断できる」シンプル思考

 

 

江夏の21球 (角川新書)

江夏の21球 (角川新書)