コロナの波がどんぶらこと打ち寄せさらっていったもの:映像業界編

東京・築地本願寺がオンライン法要をはじめた、というニュース映像を見ました。
従来のように人が集まっての参拝や法話ができなくなったため、らしいです。
 
オンラインでの授業や会議は当たり前のように行われているから特別珍しくもなく、お寺さんも大変だぁ、お坊さんもいろいろやらなくちゃいけないんだぁの感想ですが、
 
実はこれ、
 
これから、
 
映像業界大変だぁ、
 
でもあるかもしれないのです。
 
 
 
法衣姿の僧侶たちが、カメラや編集機、音声卓やテロッパーを操作し、中継、のようなことをやっています。
 
機材は購入なのかレンタルなのか、知りません。
 
スタッフは全員僧侶なのかどこかの中継スタッフが法衣を着てやっているのか、それも知りません。
 
築地本願寺は普段からコンサートやイベントをやっていてこれくらいの機材やスタッフなんて日常、なのかもしれませんが、それでも機材やスタッフ配置を見る限り、このセッティング、かなり本格的です。
 
 
 
 
コロナ以前から企業(特に大手)における動画制作の内製化は進んでいました。
社内用のちょっとした動画なら、撮影から編集、時にナレーターまで、自分たちで仕上げてしまう企業が増えています。
 
 
そんな様子を横目で見ながら、それでも映像クオリティ、構成・ナレーション、編集効果あたりはまだまだプロの出番が必要だな〜と、のんびりと構えていました。
 
 
 
そんなときに打ち寄せてきたコロナ第一波。
 
社会がなに不自由なく交流しあっていた平時ならば、受注・発注という形で互いの領域を分け合い、時間と責任をお金で担保してきたのですが、いざ遮断や停滞に見舞われると悠長な段取りを踏んではいられなくなり、内製化が加速します。
 
 
築地本願寺のニュースに映っていたスタッフが、全員法衣姿、すなわち僧侶である、ことがその証しです。
 
 
 
この有事に外部スタッフを受け入れるわけにはいかない、
なんとか自分たちで出来ないか、
一刻も早く。
 
 
 
そしてやってみたら、
 
あら、できちゃった。
 
 
 
撮影も、編集も、テロップ入れも、ちょっとした効果も、配信も、自分たちでできちゃうじゃないか、と気づくのです。
 
 
 
映像以外でも、そんな発見があちらこちらで起こっています。
 
 
この程度の打ち合わせだったらわざわざ出向かなくてもリモートで十分。
 
ウチの会社のやり方なら、オールリモートでもイケちゃう、オフィスいらないや。
 
決済のハンコ?これを機会に見直そう。
 
わざわざコメンテーター、スタジオに来なくても問題なし。
 
 
 
 
そんな、今まで砂浜でのんびり日光浴していたあれやこれやを、コロナ第一の波がさらっていきました。
 
寄せては返しと、再び戻ってくるものもあるかと思いますが、そのまま大海に呑まれ彷徨い泡となって消えていくものもあるでしょう。
 
いやはやこの波の行き来は、冷静にしっかりと監視しなくちゃいけません。
 
 
 
 
少なくとも確実に言えるのは、リモートなんちゃらでみなさん自分がカメラに映ることへの抵抗感がかなりなくなっています。
 
YouTuber目指してなくたって、個々人における映像との距離が今まで以上に近くなっているのは確か。
 
で、
 
だから、
 
この先は…
 
どうなるんだろう。考えなくては。