「デス・プルーフ」はラスト7分をまず観てみる

開始早々10分ほどで眠りに落ちてしまった映画。
はっと目が醒めてしばらく経つとまた眠くなる映画。
 
タランティーノ得意のだらだらガールズトークのせいなのか、自分の体調のせいなのか、覚醒と睡眠を繰り返すこと数回、
気づくと、うわ、すでにエンド近くの1時間46分あたりになっていた。
 
残るエンドロール込みの7分を、しっかりと観ました。
 
 
と、うん?なんだこの映画は…傑作なのか?いや、快作?怪作?

 

デス・プルーフ in グラインドハウス (字幕版)

デス・プルーフ in グラインドハウス (字幕版)

  • 発売日: 2017/06/16
  • メディア: Prime Video
 

 

 
映画は頭っから観なくてはいけない、なんて誰が決めた?
ラストから順に前へジャンプする見方があってもいい。
覚醒と睡眠は映画の新しい見方を教えてくれた。
 
 
クエンティン・タランティーノデス・プルーフ」は(エンドロール込みの)ラスト7分前から観よう。
 
 
そこでは2台のクルマがチェイスをしていた。
 
逃げるはおっさん(カート・ラッセル)。
追いかけるは女性3人。
 
 
「覚悟しな!とんだイカれ野郎!」
女性たちは叫ぶ。
 
おっさんは逃げる。
 
女性たちは追う。追い詰める。横に並ぶ。
 
並ばれたおっさんは訴える。必死で訴える。
 
「ごめんなさい。悪気はなかった。ふざけてただけ」
 
そんなコトバに女性たちはなびかない。
タランティーノ映画の女性たちは泣き寝入りをしない。
絶対に許さない。
特にこの映画の女性たちは頼もしい。
 
 
 
その結果…
 
 
 
 
数分後、THE ENDマークが表れる。
なんてことのないベタなシーンだけどこの喝采感はなんだろ。
 
同時にエンドクレジット曲〜エイプリルマーチ「Chic Habit」がはじまる。
 
はじめて聴く曲だけどなんという爽快感。シンプルなリズムの繰り返しが耳に残り中毒性を高めてくれる。
元は60年代のフレンチで「娘たちにかまわないで」「女の子を放っておきなよ」て歌っているらしい。
 
放っておけばよかったのにおっさん、あなたのことよ。
と、エンドに相応しい強烈な曲です。
 
 
 
というようにたった7分で「デス・プルーフ」の快作感を知りました。
 
このあとちょいちょいと部分的にジャンプして前に戻り、
あのおっさんの目的や女性たちの強さの秘密を知り、
さらには眠ってしまったガールズトークもしっかり聞くとおもしろいじゃん、
&前半の1時間と後半の1時間は別々なんだと気づき、
でもって最終的に後半の1時間だけで十分だなという結論です。
 
 
 
 
 
満員電車での痴漢…
すれ違いざまのぶつかり…
ねちねちハラスメント…
そうした現場で発覚しても「ごめんなさい。悪気はなかった。ふざけてただけ」と逃げようとする輩に辟易している人に贈ります。