タイムループのなかで観るおすすめタイムループ映画3本立て

ここ数年まったく映画館へ行っていない。
といって映画を見ていないわけではなく、むしろ足しげく映画館に通っていた頃よりも、観る本数は圧倒的に増えている。
 
そうです、配信です。
いつでもどこでも、の配信は単に本数を増やしてくれるだけでなく、
回数も増やし、一本に対する密度をも濃くしてくれます。
 
 
 
ストーリー、構成、展開、登場人物の関係性は一度観ているからわかっている。
二度目三度目は、一度目で気づかなかった企みや計算や丁寧さを発見できたりもする。
同じシーンやカット、セリフやアクションも、時に違って見えたりもする。
 
ひょっとすると、次観る時、展開や結末が変わっていたりして。
 
なーんてことはなく、
変わったのは観る側の心の状態だけで、映し出される映画世界は何も変わらず、観るたびリセットされる。
 
 
 
それはまるで、タイムループ。
同じ一日を何度でも繰り返す、タイムループ。
何が起きようとすべてがリセットされる、タイムループ。
小さな奇跡をいくつかひねり出そうかと脚本家、監督が頭を悩ませる、タイムループ。
 
人生やり直したい、という叶わぬ願望を夢見させてくれる不変のテーマ、タイムループ。
 
 
というわけでゴールデンウィークにおすすめタイムループもの3本です。
 
 
「明日への地図を探して」(Amazon Prime
明日への地図を探して

明日への地図を探して

  • 発売日: 2021/02/12
  • メディア: Prime Video
 

 

原題が『The Map of Tiny Perfect Things』とあって、この映画で繰り返し描かれる小さな奇跡はとてもステキで、おそらくタイムループに巻き込まれていなかったら、それが奇跡だと気づかなかったTiny Thingsだらけです。
案外どうってことのないことも、繰り返しの日々で客観的に接すると奇跡にみえるのかもしれません。
 
 
 
 
 
あさぎーにょ「もう限界。無理。逃げ出したい」(You Tube
これは驚きました。この手があったか。こう来たか。
ユーチュバーの気楽な配信風に見せかけて、実は練り込みがすごい、計算が綿密、構成がお見事。やられました。
20分ほどですのでちょいと見てください。
 
 
 
 
 
さて、問題はこれ。
「隔たる世界の二人 Two Distant Strangers」(NETFLIX
 
ひと晩を過ごした女性の部屋を出て愛犬の待つ家へと帰ろうとする黒人男性。
白人警官に呼び止められ、そして…
 
 
が、何度も何度も繰り返される。
 
この作品を見て誰もが思い浮かべるのは、有罪判決が出たばかりの、あの事件と一連のBLM。
この映画のラストは期待なのか無情なのか。
 
来週発表になるアカデミー賞短編映画部門にノミネートされています。
こちらも30分ほどの短い作品ですので、アカデミー賞発表前にぜひどうぞ。
 
 
 
 
 
 
 
 
どの映画のなかの人たちも、
繰り返されるタイムループから
なんとか逃れようと、
もがいています。
試しています。
働きかけています。
 
 
 
だけれども、この一年、現実社会では
あきれるほど同じことが繰り返されています。
新たな波が押し寄せるたび、
勝負だの正念場だの瀬戸際だのといった言葉が空回りして、
また同じ状況が繰り返されます。
少なくとも日本は、大きなタイムループの渦をぐるぐる回ってる、そんな感じです。