マジックワード「しょうがない」によって
何も解決しないまま
なぜだか多くが納得させられてしまうことに対して、
落合陽一は、
「それでも」と言い続けていくしかないと言う。
Eテレ【ズームバック✕オチアイ「第6回 大衆論」】を
見たちょうど次の日、(両方とも録画なので)
たまたまのタイミングなんだろうけれど、
ドラマ『今ここにある危機とぼくの好感度について』では、
この「しょうがない」と「それでも」を
みごとにフィクションのなかで描いてくれていた。
松坂桃李が広報課職員として働く大学で、
多様性をテーマとしたイベントが開催される。
最終日に講演を行うのは、日本衰退論を主張するジャーナリスト。
その彼がひょんなことから大炎上してしまう。
大学には、日本を貶めるやつを呼ぶな、と苦情が殺到。
爆破予告まで届く。
恐れた大学側は「しょうがない」とイベントの中止を決定する。
しかし、ジャーナリストは、
脅迫に屈するのか!言論の自由の侵害だ!と、
外国特派員協会で抗議の会見を開く。
大学側も外国特派員協会での会見を求められる。
そこで、広報課職員・松坂桃李は、
突っ込まれることのないよう深く意味を持たない原稿を用意する。
さて、「しょうがない」のまま終わるのか、
それとも「それでも」と続くのか。
2019年のあのイベントを思い起こさせるモチーフです。
教養番組とドラマ…たまたまのタイミングで
結びついてしまった「しょうがない」と「それでも」。
たまたま?いや、たまたま、じゃないんでしょうねこれは。
これまで「しょうがない」で諦めていたり、
表に出なかったり、黙らされていたモロモロも、
最近じゃ「それでも」の声が
新たな展開へと状況を変えていくことが増えてきました。
その表れのひとつなんでしょう。
4月始まりのドラマが豊作です。
そのひとつ、
『今ここにある危機とぼくの好感度について』の脚本は、
あの名作朝ドラ「カーネーション」と
渡辺あやさんです。お見事。