東京オリパラ2020便はまもなく目的地東京に着陸いたします

「皆様、東京オリパラ2020便は、まもなく目的地TOKYOに着陸いたします。
2013年よりのご搭乗、大変お疲れ様でございました。
 
さきほど地上より、
『こうした状況のなかでの着陸は普通はない』
『着陸するなら強い覚悟で着陸してもらう必要がある』
などという無線連絡がありましたがご安心ください。
公式な呼びかけではないため無視しておきました。 
 
どちらにせよ、この飛行機には、出発地へと戻る燃料は、もうございません。
引き返すことができない<ポイント・オブ・ノーリターン>を超えてしまいました。
 
と、なりましたら、
このまま潔く7月23日へと向かい、進路を固定するしかないのです。
後戻りも行先地変更も上空待機もかないません。 
 
ただいまの現地TOKYOの気温は、摂氏36.1度、湿度は86%と、連絡がありました。
朝顔打ち水が出迎えてくれる、アスリートにとって最適な、いつもどおりの日本の夏でございます。
 
トラブルを忘れるには大きなトラブルをぶつければいい、と申します。
酷暑が気になる方は感染を、感染が気になる方は酷暑を思い浮かべてください。
このように、より不安なトラブルを思い浮かべることで、一方のトラブルは気にならなくなります。
これが安全安心の基本でございます。
 
 
それでは皆様、シートベルトをお締めください。
一切身動きができないよう、逃げ隠れできないよう、しっかりとご自身を座席に固定してください。
いいですか、この先なにが起きようと、もう皆様は逃れられません。一蓮托生でございます。Attention Pleaseでございます」
 
 
 
そして、東京オリパラ2020便は着陸態勢に入った。
 
 
 
 
 
 
 
 
ということで、ここから先の注目はこれしかない。
 
2020東京オリンピックパラリンピック公式記録映画監督・河瀬直美氏が、
この先も続いていくであろうすべてをどういう視点でどう記録し、忖度や圧力に屈することなくどう取捨選択し、どういう編集軸で構成し、世に示してくれるか。
 
 
公正も不公正も。
感動も失望も。
興奮もシラケも。
調和も対立も。
多様性も偏見も。
絆も分断も。
光と影も。
 
一切を隠すことなく、このパンデミック下でのイベントのあり方をさらけ出して欲しい。
 
 
主観を省くため、ナレーションはいりません。ノーナレでいいです。
むりやり2時間3時間にまとめなくてもいいです。
1話につき1時間強の全16話で、NETFLIX全世界配信でもいいです。
 
 
 
この映画は、映画の完成までのプロセス〜試写→横やり→試写→横やり→試写〜が繰り返され、公開までのタイミングが延びれば延びるほど、その奥に潜むいろいろなものが可視化されていく、ある意味最高のドキュメントです。
 
記録映画の動向にAttetion Pleaseしましょう。