アーティストは生命維持に必要なもの。それに近いコトバを今の日本に望むのはむずかしいのか。

「マイナスとマイナスをかけるとどうしてプラスになるんだ?!わかりやすく教えてくれー!」 マキタスポーツ&プチ鹿島&サンキュータツオのおっさん三人が、ぐだぐだgdgdグダグダどーでもいい(けれど、案外深い)話をする東京ポッド許可局というラジオ番組…

言い表せられない感情に出会ったら〜「翻訳できない世界のことば(LOST IN TRANSLATION)」

ポリシー、なんてものではなく、スーツを着るとき以外、シャツはスボンのなかに入れない。そう決めています。 単に裾がシワになるのがイヤ、身体が二分割されるような感覚がイヤなだけですが、周りは、いい年してだらしない男、と思ってるんだろうな。 そん…

イタリアベランダ合唱を見て〜日本だったらなにを歌うんだろう?あ、あれか!

コロナウイルスで外出できないイタリアの人たちがベランダで国歌やオペラを演奏したり歌いあっているようで。 www.bbc.com 困難など、同じ状況に陥った、普段は見知らぬ市井の人たちが一致団結する、こういう現象、実は好物なんです。 映画とか小説とかで出…

体は地層のようなもの。伊藤亜紗「記憶する体」を読んで

先日、2020東京パラリンピックに出場が内定した女子陸上選手にインタビューをしました。 三重県在住の彼女は、中学3年生のとき交通事故に遭い、右大腿部を切断した、義足の走り幅跳び選手です。 インタビューのあと、練習風景も撮影しました。 「く」の字型…

今村夏子芥川賞受賞第一作「的になった七未(なみ)」もまたどこへ連れて行かれるかわからない物語

指し示された地図に従い歩き出したはいいが、 途中から方角を狂わされ迷子になっていく。 しかもその場所は、目印が一切ない砂漠や秘境なんかじゃなく、 ごくありふれた日常だから、余計にぞっとする。 いったいこの人は読者をどこへ連れて行こうとしている…

「日本が世界の真ん中で一番輝いた年」とかいう仰天発言の2019年にこそ読み返すべき伊坂幸太郎「魔王」

狩りに出かけた二人の紳士が獲物を得られず腹を空かせた帰り道、「山猫軒」という西洋料理店を見つけ何か食べようと入るが、<靴の泥を落としてください><鉄砲と弾丸を置いてください><帽子と外套を脱いでください><金属類を外してください><クリー…

「TUGUMIつぐみ」(吉本ばなな)はいつ読んでもきらきらの言葉に出会える

何回目だかの「TUGUMI つぐみ」(吉本ばなな)を読み終えました。 TUGUMI(つぐみ) (中公文庫) 作者:吉本 ばなな 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1992/03/01 メディア: 文庫 登場人物もストーリーも起きる事件もすでに十分すぎるほど知っているはずな…

「秘密の質問」に正直に答える必要ない〜岸本佐知子「ひみつのしつもん」を読んで

お気に入りの翻訳家に岸本佐知子さんという人がいます。 ミランダ・ジュライ「最初の悪い男」/ルシア・ベルリン「掃除婦のための手引き書」/ショーン・タン「セミ」など、著者のことはよく知らないけれど、岸本さん翻訳ということで手にとった本もいくつか…

向田邦子の新作が読めない代わりに今村夏子を読む

望んでも願っても悲しいかな、もう新作が読めない作家のベスト1は、向田邦子です。 今日8月22日は彼女の命日。飛行機事故で亡くなって38年ほど経つんですね。 「寺内貫太郎一家」や「時間ですよ」の頃は、向田邦子という天才の名はほとんど知りまませんでし…

その「半分こ」にあきれるか、おもしろがれるか。内藤ルネの「半分」におどろく

もう過ぎてしまいましたが7月6日はサラダ記念日でした。 俵万智さんの短歌というのは、基本シンプルな言葉を使っているゆえ、一読で素直に感じ入ることができます。 例えば、 「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ 大きければいよ…

「ドキュメント72時間」が好きな人にお薦めしたい「フィフティ・ピープル」

NHKの「ドキュメント72時間」が好きで欠かさず見ています。 www4.nhk.or.jp たまたま同じ場所の、たまたまの3日間の、たまたまの人たち。 登場する誰もがみな輝いているわけではなく、つらい状況にいたり、何かが終わろうとしていたり、始まろうとしていたり…

「幻の1940年計画」を知って「いだてん」を見るとおもしろいかも

「いだてん」第2部も突っ走っています。 このまま1964までどう引っぱってくれるのか楽しみで仕方ありません。 www.youtube.com そこで、気になるのは、1940年に開催される予定だった幻の東京オリンピック。 これは「いだてん」で描かれるのかどうか。 1964…

教科書には載らない川端康成がホントはおもしろい

<たちの悪いいたずらはなさらないで下さいよ、眠っている女の子の口に指を入れようとなさったりすることもいけませんよ。と宿の女は江口老人に念を押した。> <「片腕を一晩お貸ししてもいいわ。」と娘は言った。 そして右腕から肩をはずすと、それを左手…

山里亮太&蒼井優の会見を見て「分人主義」における<愛>の姿を見つけてしまった。

芸能人の誰と誰がくっつこうが離れようが、わが日常は変わらずゴミ捨てに行かなくちゃいけないし、朝ごはんも食べなくちゃいけない。 朝ごはん食べながらテレビ見てたら、どこのチャンネルもあの二人の会見映像ばかりで、あーあと録画しておいた「デザイント…

それはホントに偶然か?「偶然仕掛け人」に仕掛られたい

会うべくして会う運命の出会いというのがあって、 運命というからには必然のような気がするけど、 出会いそのものは偶然にすぎなく、 それを運命とか必然に引き寄せるのは やはり本人次第ということになってしまう。 これは恋とか愛とかに限るだけじゃなくっ…

いつものコンビニで僕はなんて呼ばれているかふと気になって

よく見かけるんだけど<その人>の名前は知らない。 でも時に<その人>のことを話題にしなくちゃいけない。 「ほらほら、あの人」だけでは「あの人って誰?」となり、別の人を思い浮かべてしまうかもしれない。 そんなとき必要となるのが、仲間内だけで通じ…

「82年生まれ、キム・ジヨン」を読むべきは<昔は良かったけど今だダメ>と【今】に文句を言う男性だ

82年生まれ、キム・ジヨン (単行本) 作者: チョ・ナムジュ,斎藤真理子 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2018/12/07 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (2件) を見る はじめて読んだ韓国文学。 ちょうど読み終えたタイミングで何気な…

小心者にとって平成から令和は絶好の変わるチャンス

令和へのカウントダウンがはじまっています。 その日まで<何者>にも襲われなければ、昭和ー平成ー令和と、3時代を生きていく男となってしまう。 若い頃は、「あの人明治生まれ」と聞くだけでその人は歴史上の人物に思えてしまってそれだけ昭和の時代は長か…

善良なる横道世之介に再び出会えた喜び

1ページ1ページがなんとも愛おしくて、いつまでも主人公に寄り添いたくなる小説があります。 前作から10年ぶりの続編「続 横道世之介」(吉田修一) 前作の結末に衝撃を受け、でも「ああ、世之介らしいな」と納得したものですが、続編ではこれまた見事に世之…

蜜柑をめぐるメタファー「バーニング」と「東京マリーゴールド」

みかん…ミカン…蜜柑。 蜜柑は美味しい。 そんな蜜柑がもっと美味しくなる(かもしれない)お話をふたつ。 村上春樹の短編「納屋を焼く」にパントマイムを習っている女の子が出てきます。 男性の前で延々と<蜜柑むき>のパントマイムを繰り返します。 「納屋…

「それしかない」病はヨシタケシンスケ読んで治そう

子どもになにか尋ねて「べつに〜」とか言われるとむっとくる。 口答えされた気になって「はっきりしなさい」と怒ったりする。 診断を下します。 それは明確なひとつの答えを求めてしまう「それしかない病」 大人の感染率は82%ぐらいで、自分は大丈夫、と思…

川端康成様、あなたはどんな花の名前を教えられたのですか?

普段まったく本を読まない人が本屋で一冊を迷うように、花の名前を知らない男は花屋で一輪を迷う。 花に疎いです。花の名前から実体が浮かびせん。(実体から名前も浮かばない) 名前と実体が一致しているのは、チューリップ、バラ、サクラ、ヒマワリ、それ…

顔に重度の障害を持った少年の物語「ワンダー」からできることを考えてみる

予告編を見てとても気になった映画「ワンダー君は太陽」。 原作の「ワンダー」(R.J.パラシオ)を読みました。 ワンダー Wonder 作者: R・J・パラシオ,中井はるの 出版社/メーカー: ほるぷ出版 発売日: 2015/07/18 メディア: 単行本 この商品を含むブログ …

日本沈没の時、「なにもせんほうがええ」を受け入れてしまいそうな自分

「深読み読書会」(NHKBS/3月17日)が「日本沈没」を取り上げていました。 10代のころめっちゃハマっていた小松左京。今でも本棚に数冊あったなぁと久しぶりに取り出してみました。 どれも日に焼けて、しかもところどころページ角に折った跡もあって、そり…

【宇野昌磨も銀!】に秘められた書店員の心をのぞいてみた

日本人選手が活躍する海外サッカーのスポーツニュースの常套句に、こんなのがあります。 「◯◯のパスを起点にゴールが生まれ、チームの勝利に貢献」 そのプレイの軌跡を見てみると、◯◯→A→B→C→D→E→そしてゴール! そりゃまあ起点と言っちゃ起点でまちがっては…

2017年読んだ本のなかから生き残った本たち(今年発行に限らず)

ホントにもう情報があふれすぎてあれいいよこれいいよの声聞くたび節操もポリシーもなく手を伸ばして気づくと12月18日時点でちょうど100冊の本を読んだことになっていました。 年齢のせいかその多くの内容が記憶から消え去ってはいますがそれでもしぶとく年…

あの時なにもしなかったからせめて知るだけでもと、「アリガト謝謝」

2011年4月109億円。2011年5月上旬160億円。そして最終的には200億円を突破。 東日本大震災に対する、台湾から日本への義捐金です。 世界最大の金額だったにも関わらず、世界6カ国7紙に掲載した、感謝を表す日本政府のメッセージ広告は台湾には行われませんで…

「蜂蜜と遠雷」を読んで。文章が「音」に「音たち」に変わる魔法の小説

上下2段500ページ超えの最初の1ページを開くタイミングは、難しい。下手にハマってしまうと抜け出せなくなってしまうから。 特に今週は撮影が続くから手を出すのは極めて危険。と、そんなとき、 天候の問題で撮影延期の連絡が。プレゼントのようなこの時間が…

「このハゲ!」と叫んだ女性政治家を笑う300年後の未来人たち

今日は朝っぱらからおっそろしく不快な声を何度も耳にしてしまいました。 有形無形の温かい支持が何よりも必要な、議員ともあろう人が、いわゆる「頭髪の乏しい」状態の人たちを一斉に敵に回してしまいましたね。 豊田真由子議員に元秘書への暴言・暴行疑惑…

2020年を迎える前に「TOKYOオリンピック物語」を読む

近々「走り」を本格的に日々行っている人を被写体とした撮影があります。 予定しているシーンは、都市のなか、自然のなか、住宅街のなか、さらにはトラックと舞台が分かれ、しかもカット数もある程度必要なため、それぞれにいかに変化をつけるかがなかなかに…