「コロナ禍」か「コロナ下」か
最近「コロナ禍(か)」という言葉をよく耳にします。
いつごろ誰が使い始めたのか知らないけれど、出始めの頃「コロナか」は「コロナ下」だと思っていました。
でもテレビの場合、コメントフォローの字幕は「コロナ禍」となっていて、ああそっちね、と。
この前NHKの「所さんの大変ですよ」を見ていたら、「コロナか」の字幕が「コロナ下」になっていた。何回も出てきたほとんどが「下」でした。
「コロナか」と耳にすると反射的に「コロナ禍」が思い浮かばせられるなか、
「コロナか」を「コロナ下」としている字幕を見ると、おいおい間違えてるじゃん、コメントフォローの人、大丈夫?となりますが、そうじゃなかった。多分。
「所さんの大変ですよ」の内容は、最近、那須など郊外の別荘地が売れているということを伝えるものでした。
その理由は、テレワークやリモートの普及に伴い、満員電車に乗って毎日会社に通う必要がなくなってきた、しかも都心は家賃が高いから郊外に住居を移す人が増えているというもの。
つまりこの場合、災難・不幸がもたらす変化や苦難の「コロナ禍」ではなく、
コロナという状況下における現象のひとつを伝えるものだから「コロナ下」であると。
というふうに番組での字幕「コロナ下」を捉えたのですが、本当はどうかわかりません。
単純にコメントフォロー担当が「コロナ禍」という言葉を知らなかったかもしれないし、打ち間違いかもしれない。
ま、でも、思います。
新型コロナの流行はたしかに厄介で面倒でマイナス面ばかりだけど、
それを表現するとき、状況や内容の見極めもせず「コロナ禍」一択でいいのかなと。
テレビの街頭インタビューで一般の人が、
例えば「コロナかで太っちゃて」とか「コロナかで運動不足で」とか答えている場面があります。
その字幕のほとんどが「コロナ禍」です。
たしかに太ることや運動不足は、ある人にとっては災難で不幸かもしれませんが、それは「禍」というほどのものなのか。
答える人は、「戦時下」や「管轄下」と同じ「コロナ下」として「コロナか」と言っていると思うんです。
「コロナ禍」…なんだかカッコよさげな流行り言葉のようで、とりあえず神妙な顔で「コロナ禍で〜」と語っておけば訳知りで専門的な印象を与えられます。
そもそもコロナが流行する以前、日常会話の中で「◯◯禍」なんて口にしたことあります?私は一回もありませんでした。
だから、だから、「コロナか」は、「コロナ禍」と「コロナ下」の2種混合があってもいいと思うのです。
なんたってワクチンだけに。と。