フリーランスはヒマなのだ

フリーランスのお友だち〜本・映画・テレビ・ネット

川端康成様、あなたはどんな花の名前を教えられたのですか?

普段まったく本を読まない人が本屋で一冊を迷うように、花の名前を知らない男は花屋で一輪を迷う。


花に疎いです。花の名前から実体が浮かびせん。(実体から名前も浮かばない)

名前と実体が一致しているのは、チューリップ、バラ、サクラ、ヒマワリ、それからカーネーションタンポポ、ひねくり出してユリ&キクぐらいでしょうか。
心の岸辺に咲いているはずの赤いスイートピーでさえも、その姿形は謎のままです。

 

 

【別れる男に、花の名を一つ教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。】

 

 

本日4月16日は川端康成の命日です(自殺)。

彼が20代のときに書いた掌編のセリフがこれです(『化粧の天使達・花』)

 

 

川端康成というと、白髪の神経質そうなおじいさんというビジュアルイメージしかないですが、10代の写真を見ると、ダルビッシュ似のイケメンで、さぞかし多くの女性を泣かせてきたんだろうなが伺えます。


この掌編も、別れ際に投げかけられた捨て台詞から生まれたのかしらと、想像しちゃいます。

 

 

 

過ぎ去った記憶はある時あることをきっかけにふいに蘇ってきます。
背中の爪痕は自分では見返すことはできませんが、花は時限爆弾のように一年に一回スイッチが押されるから残酷です。


路傍の花にふと足を止めてしまった時、どこかできっとほくそ笑んでいるであろう花の名の教え人を、恨んではいけません。

小悪魔な企みに簡単に引っかかってしまった我の愚かさを犠牲にすれば、円満に時は過ぎさっていってくれます。

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『化粧の天使達・花』は、たった5行の短編小説。
添付の文章がすべてです。 
それなのに、背後にあったであろう物語が幾重にも幾層にも想像できてしまいます。

 


モチーフとして選んだ曼珠沙華は別名彼岸花。その花言葉は、情熱・再会・悲しい思い出・思うはあなた一人、とのこと。
球根には、毒もあるそうです。恐るべし川端康成


(写真の花は我が家に飾ってあったユリであり、文中の花・曼珠沙華とは一致していません。あしからず)

 

掌の小説 (新潮文庫)

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眠れる美女 (新潮文庫)

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曼珠沙華

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