無力?ならば、医療の邪魔をしないこと。

私は感染症隔離経験者です。 20年ほど前、指定感染症(当時は法定伝染病)3類である細菌性赤痢をインドネシアから持ち帰ってしまったため、14日間強制隔離されました。 咳や発熱はなかったのですが、入り口から出口まで寄り道を許さない直行便(「びん」では…

実はこれ、ホントは、内部告発動画、なのでは?

フェイクなのか現代アートなのかプロパガンダなのか… 一瞬背筋が凍り血の気が引き悪寒が走って、 落ち着け落ち着けと言い聞かせ 深呼吸のあともう一度見返してみても やはり…こ、こ、これは…。 www.huffingtonpost.jp ほ、ほ、ほ、星野源よ、 き、き、きみは…

アーティストは生命維持に必要なもの。それに近いコトバを今の日本に望むのはむずかしいのか。

「マイナスとマイナスをかけるとどうしてプラスになるんだ?!わかりやすく教えてくれー!」 マキタスポーツ&プチ鹿島&サンキュータツオのおっさん三人が、ぐだぐだgdgdグダグダどーでもいい(けれど、案外深い)話をする東京ポッド許可局というラジオ番組…

ゴダイゴ「平和組曲:威風堂々」はコロナウイルスを克服する世界的テーマ曲になり得るのでは

「心の支えとなった曲はなんですか?」 オリンピックに出場し金メダルを獲ったとき、記者団にこう訪ねられるわけです。 答える一曲は決まってます。 曲は決まっているけれど答える場には立てないから、いま答えます。 「威風堂々です。エルガーの行進曲です…

さよならありがとう「スカーレット」

ああ、終わってしまった「スカーレット」もうスバラシすぎてこのまま「徹子の部屋」化して22世紀まで続いてほしい「スカーレット」 こんなにも完璧なドラマになるとは思いもしなかった。 完璧… そう、もう完璧なまでに「いつもと変わらない1日は特別な1日」 …

言い表せられない感情に出会ったら〜「翻訳できない世界のことば(LOST IN TRANSLATION)」

ポリシー、なんてものではなく、スーツを着るとき以外、シャツはスボンのなかに入れない。そう決めています。 単に裾がシワになるのがイヤ、身体が二分割されるような感覚がイヤなだけですが、周りは、いい年してだらしない男、と思ってるんだろうな。 そん…

イタリアベランダ合唱を見て〜日本だったらなにを歌うんだろう?あ、あれか!

コロナウイルスで外出できないイタリアの人たちがベランダで国歌やオペラを演奏したり歌いあっているようで。 www.bbc.com 困難など、同じ状況に陥った、普段は見知らぬ市井の人たちが一致団結する、こういう現象、実は好物なんです。 映画とか小説とかで出…

どんなことでも終わりはある。どんな終わり方をするかだ。

1111年はとっくの昔に終わってるし、次の2222年は冷凍睡眠でもしなくちゃ迎えられない。 ただ単にゾロ目、というだけで特別な年のように思えてその一年を過ごしてみたくもなるけれど、この時代に生きている人はみな、地上も半地下も関係なく等しくゾロ目西暦…

7年に渡る濃厚接触で感染しちゃった人たちへ

「なんとかしろ」 ↓ 「なんとかしろ」 ↓ 「なんとかしろ」 ↓ 「なんとかしろ」 ↓ 「なんとかしろ」 ↓ 「なんとかしろ」 そう叫び続ける服を着ていない王様に従い、「そのお召しものとてもお似合いです」とかしずく人たちよ、三権分立という基本原則を踏みに…

フィクションから学ぶことがある〜新型コロナウイルスと小松左京「復活の日」

はじめはただの風邪で、次に肺炎となり、最後には死に至る。 謎のウイルスが世界中に蔓延し、最終的には南極基地と原子力潜水艦乗組員以外全人類が滅亡するという、1964年出版の「復活の日」(小松左京) 復活の日 (角川文庫) 作者:小松 左京 出版社/メーカ…

今さらながら、朝ドラ「スカーレット」がいかにすばらしいドラマであることか

www.nhk.or.jp 毎日15分、10月から録り続けている「スカーレット」で、HDDが満タンになりつつあります。そろそろDVDにコピーしなくては、と、その前にもう一度頭から観てみよっと。 毎日15分でもそのおもしろさは痛感していましたが、一週間ずつ再び振り返る…

「の」がつなぐステキな物語〜絵本「の」(junaida)

大好きな映画のひとつに「コンタクト」(1997)というのがあります。 地球外生命との接触を描いた映画ですが、単なるSFじゃなく、「目に見えないものの存在」というものについて考えざるを得ない傑作です。 そのファーストシーンもまた壮大で、地球から銀河…

すべてのお母さんが「伝説のお母さん」だ!

ひとりは、理想の色〜スカーレット(緋色)を求めて炎に挑む。 ひとりは、復活した魔王討伐のために冒険の旅に出る。 ふたりはともに女性。 ひとりは、同じ陶芸家である夫の名声への意地か、自分だけの色を焼き付けようと借金までして穴窯での焼成を続ける。…

体は地層のようなもの。伊藤亜紗「記憶する体」を読んで

先日、2020東京パラリンピックに出場が内定した女子陸上選手にインタビューをしました。 三重県在住の彼女は、中学3年生のとき交通事故に遭い、右大腿部を切断した、義足の走り幅跳び選手です。 インタビューのあと、練習風景も撮影しました。 「く」の字型…

今村夏子芥川賞受賞第一作「的になった七未(なみ)」もまたどこへ連れて行かれるかわからない物語

指し示された地図に従い歩き出したはいいが、 途中から方角を狂わされ迷子になっていく。 しかもその場所は、目印が一切ない砂漠や秘境なんかじゃなく、 ごくありふれた日常だから、余計にぞっとする。 いったいこの人は読者をどこへ連れて行こうとしている…

AI に無意識ってやつはあるのだろうか〜公衆トイレと「この世界の片隅で」でふと思う

駅の公衆トイレに入りました。小の方です。 定位置に付き、さて、と準備に入ると、右目の片隅に映る、隣の先客の体勢に違和感を感じました。 横を向きじっと見るのもなんですから、肩が凝ったなぁ的な感じで首を小さく回しながら、その違和感を盗み見しまし…

世界は「言ったもん勝ち」でできている

美人すぎる○○ 日本の頭脳○○教授 現代の魔術師 適切に処理した 問題ない 消費の落ち込みは台風のせい 出生率90万人割れは改元があったから 日本が世界の真ん中で一番輝いた一年 戦争をやめるために殺害した etc どこが?ホントかよ?なにをもって?ンなわけな…

M-1グランプリ「ぺこぱ」のコトバは感動すらあった

「間違いはふるさとだ。誰にでもある」 あぁミスをした人に言いたい。言ってあげたい。けれどフリーランスだから部下がいない。 なにこれ、肯定ツッコミ?名言ツッコミ?当たり前ツッコミ? 他にもあった。 「知識は水だ。独占してはいけない」 「お年寄り!…

「日本が世界の真ん中で一番輝いた年」とかいう仰天発言の2019年にこそ読み返すべき伊坂幸太郎「魔王」

狩りに出かけた二人の紳士が獲物を得られず腹を空かせた帰り道、「山猫軒」という西洋料理店を見つけ何か食べようと入るが、<靴の泥を落としてください><鉄砲と弾丸を置いてください><帽子と外套を脱いでください><金属類を外してください><クリー…

「TUGUMIつぐみ」(吉本ばなな)はいつ読んでもきらきらの言葉に出会える

何回目だかの「TUGUMI つぐみ」(吉本ばなな)を読み終えました。 TUGUMI(つぐみ) (中公文庫) 作者:吉本 ばなな 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 1992/03/01 メディア: 文庫 登場人物もストーリーも起きる事件もすでに十分すぎるほど知っているはずな…

追記:2019年令和版ゴリラ訓練のさらなる進化!「日本モンキーセンターのゴリラ訓練の注目度をなんとかしたい

愛知県犬山市にサル類専門の「日本モンキーセンター」という動物園があります。 その日本モンキーセンターで、2000年8月ゴリラが檻から抜け出し来園者に怪我を追わせるという事故が起きました。 以来年2回(だと思う)、日本モンキーセンターでは職員らによ…

「秘密の質問」に正直に答える必要ない〜岸本佐知子「ひみつのしつもん」を読んで

お気に入りの翻訳家に岸本佐知子さんという人がいます。 ミランダ・ジュライ「最初の悪い男」/ルシア・ベルリン「掃除婦のための手引き書」/ショーン・タン「セミ」など、著者のことはよく知らないけれど、岸本さん翻訳ということで手にとった本もいくつか…

ジョージ・オーウェル「1984年」がフィクションに思えなくなってきた<桜>をめぐるヤバい日本

はじめてこの小説を読んだのはいつだったか、高校だったか大学生に入った頃だったか。 どちらにせよ毎日が楽しければそれでいいと能天気に遊び呆けていた時期だったことは確かで、だからこの小説の内容もピンとこなかった。 ありえない世界を描いた圧倒的フ…

「東京ブラックホール」と合わせ観るべし「いだてん」最終章

「○○を知らないなんて人生半分損してる!」 なんていうセリフがあって、自分が言われるのはイヤだけど、他人に対しては臆面もなく言うのだ。 「今年!2019年に『いだてん』を見ていないなんて人生半分以上損してる!」 そう、違う、そう。 www.nhk.or.jp ク…

「情の時代」とは「現象の時代」〜あいちトリエンナーレ順不同ランキング

すったもんだはありましたが、今回のあいちトリエンナーレは非常におもしろかった。 にしても映像展示が多かった。いつもなら(いままでのトリエンナーレや他の芸術祭)の場合、映像展示は最後まで見るのが辛いってことが多かった。 でもどうしてだろう、今…

NHKスペシャル「東京ブラックホール 破壊と創造の1964年」〜ほんの55年前のことなのに記憶は上書きされている

「東京ブラックホール 破壊と創造の1964年」は衝撃の番組だった。 www.nhk.or.jp 最初は単純に、山田孝之が1964年の資料映像のなかに合成技術でタイムスリップするだけの、ちょっとエンタメかかった内容だと思っていた。 ところがどっこい、実際には、この時…

彼女が招待された意味を考えることが私たちのできること

思わず見てしまった「即位礼正殿の儀」 この儀に各国要人とともに皇室から招かれ参列した唯一の高校生がいます。 2018年6月沖縄全戦没者追悼式で「平和の詩 生きる」を朗読した相良倫子さん(当時中学生)です。 あの時ニュースで聴いた相良さんの朗読は衝撃…

あいちトリエンナーレ「旅館アポリア」で思い出す昭和14年の俳句と2019年の短歌

【戦争が廊下の奥に立ってゐた】 これは渡辺白泉という俳人が昭和14年(1939)に詠んだ俳句です。 白泉はとりたてて強い反戦思想を持っていたわけでもなく、ふつうに文学を愛する若者でした。 忍び寄る危機感を自分に与えられた表現で純粋に言い表しただけだ…

【あいちトリエンナーレ「旅館アポリア」】は歴史と向き合う態度、のようなものを指し示している

「はい、できない人は家で!」と持ち帰る宿題ほどイヤなものはありません。 一方、放っておいても怒られないのに自ら積極的に取り組んでしまう宿題の、なんとわくわくと興奮することか。 【あいちトリエンナーレ:ホー・ツーニェン「旅館アポリア」】 からの…

あいちトリエンナーレ【葛字路(グゥ・ユルー)「葛字路」】

ただの標識に拍子抜け。なんて、いきなり昭和で失礼します。 一角の雰囲気があまりにも昭和だったので、思わず。 その標識は、円頓寺商店街のメインストリートから一本脇に入った、店舗跡の空き地にぽつんと立っています。 標識に書いてある文字は、<葛字路…